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「四、泥沼の中の人間 前編」の詳細記事: 彩

創作小説を掲載するブログです。 幻想世界を基本に書いていきます。

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四、泥沼の中の人間 前編


「何だろう?」
 広場が、騒がしかった。
 村長(むらおさ)様が来たのだろうか。
 村総出で行う漁の始まりを告げたり、新しい船を水に浮かべる時など自分達の生活を護るほか、村境の封じと護りの清めを行ったりと村を守護するを務める人。
 重鎮を担う長は、時々村に来て村の者達が平穏に過ごせているかを確かめていた。
 小高い丘に家を構え、生活自体が村人とは違う長は、憬れだった。
 村長様が来たんだと、コウは少し浮かれ、早足で広場へと向かう。
 この村を最後とするには、いい日だと思った。
 広場は、見晴らしのいい拓けた場所にある。湖の輝きが端から端まで見え、ヌシ様を祀る時は必ずこの場所で行った。事始の祭りもココで催される。魂別れも………。用もなく立ち入るには臆する場所だが、村長が来ているのなら気兼ねなく入り、湖を一望することができる。
 コウは、力一杯踏みつけた土を蹴った。
 広場にはたくさんの人が集まっていたが、何か……おかしかった。異様さが胸をざわめかして、コウは戸惑う。
 広場にいる者すべてが、湖に背を向けている。
 ヌシ様のいる湖を崇めるための広場。けれど村人は皆、湖に背を向けて一点を凝視している。長いこと村に顔をださなかったコウがいることにすら、気づかない。
 皆が見つめているのは、リンへと続く道だった。
    何を、してるの………
 この場を支配する雰囲気に圧倒され、声がでてこなかった。
「来たぞ!」
 鋭く響いた一声。
「やっと捕まったか」
「チョロチョロしててなかなか捕まらなかったらしい」
「まったく、勝手なことをする奴だ」
 集まった村人は、口々に言い合った。リンへ続く道から広場へと近づいてくるものがあった。皆、それから目を離さずに言う。
「良かったよ。これでもう〝迷子〟がなくなる」
「そうだな、少し遅いが………」
「まぁな。確かに遅かったかもしれん」
「だけども、フィユーさえなんとかすれば、大丈夫さ」
「へ……?」
 聞こえてきた言葉に、コウは間の抜けた声を発した。緊迫したこの状況にそぐわない音だったが、誰も聞いていなかった。
「おい、よく見えん」
「火を焚け、火を!」
 太陽はもう湖へと溶けていた。影と同化してしまう残光が、人間の作り出した光と混ざって世界の輪郭を縁取っていく。
 村人は、呪布で身を固めた男達に引き摺られるものから視線を外さない。
 呪布はリンに入ったり、鬼の使いを仕留めたりする時に纏う、護りだ。それに身を固めた四人の男達に引き摺られてくる、フィユー。縄をかけられた身体はもたつき、男達に蹴られながら前へと進んだ。
「フィユー……」
「返して!」
 悲痛な叫び声をあげて、女がフィユーに掴みかかった。
「返して返して、返してぇ!」
「娘を………リャンを、返しやがれ」
 リャンの親が、〝迷子〟となった娘を嘆く。それを契機に、村人は火がついたように攻撃的になり、フィユーに石をぶつけ出した。
 喚声が、沸き起こる。皆、口々にフィユーの罵った。
 どうして………、と。答えを貰えない疑問が、コウの胸を塞いでいく。
 フィユーが、広場の中心に引き摺られていく。
 抵抗はしていなかったが、大きな身体は呪布を纏う男達を苦労させていた。
 村人は、同じ顔をしてフィユーに、憎悪をぶつける。
    どうして……………
 コウは、立ち尽くした。
 緩慢な動きを繰り返す唇は無駄に息を吐きだすだけで、言葉を作らない。
 石礫では効果ないと誰かが言って、皆が身近にあるものへと手を伸ばしていった。中には、金物を手にする人がいて、それが焚かれた篝火の光を反射させ、妖しく光った。けれど、ギラギラと鋭く光る村人の幾つもの目が、何よりも恐ろしかった。
 立ち尽くすコウの瞳に、フィユーが容赦なく打たれる姿が映った。
    どうして………?
 ひゅーひゅー、口の隙間から風が漏れる。
みんな、フィユーは村で世話をしなければいけないって――――――馬鹿にしていたけれど、みんな、フィユーを気にかけていて、悪く言う事あったけれど、ちゃんと村の一員として………………
 耳を突き抜けた悲鳴に、コウは意識を現実へと戻した。
 泳いでいた視線を悲鳴の上がる方へと向けると、フィユーを取り囲んでいた村人が飛び跳ねるように退くのが映った。
 数人の者が、声にならない叫びを迸る。
 蹲っていたフィユーが、顔をあげた。
 村人の、息を呑みこんだ音が空気を揺るわせる。
 フィユーは…………、フィユーの髻が解れて、流れ落ちている。背中にまで達する長さは顔をすっぽりと覆っていた。
 人前で髪を解いてはいけない。
 それはこの村で言い伝えら、守られている為来(しきたり)。
 髪を結べるようになるまで、幼子は布地で頭を覆い、自分で結えるようになるまでは親に守られていた。
 髪を、解いてはいけない。自分が自分でなくなる。決して他人の目に触れてはいけない。髪を風になびかせば鬼に魅入られてしまうから……………鬼を恐れて、頑なにその為来を守り続けている村で、フィユーの髪が風に舞っていった。
 フィユーの顔は、長い髪の中に埋もれてよく―――見えない。
 先程の興奮が不気味なほど治まっていて、その中でフィユーだけが唯一動いている。ぼたりぼたり………、血の滴る音が、聞える。
 フィユーは、何も言わない。
 言葉を、物事を認知する力が弱いフィユーは、自分から喋る事はない。でもいつもいつも笑っていた。仲間に馬鹿にされても、村の者に馬鹿にされても、悪戯に叩かれても―――――笑っていた、のに。
 ゆらゆらと、いつものように身体を動かすフィユーの仕種は、顔を覆う髪を蠢かせた。
 ぼたぼた、血が流れて、嗅ぎ慣れない匂いが辺りを取り巻く。それは、酒とは違う酔いをもたらした。
「………鬼」
 ぽつり、言われた言葉が、停滞した空気をざわめかした。
「鬼………、鬼だ」
「鬼」
「そうだ、鬼―――鬼じゃ」
 皆が、忌むべき存在の言葉を口にしていった。
 ざわり、………風が吹いた。
 生温く、湿った風が皆の周りを通って一人一人の肌を弄っていく。
「鬼ぃ……」
「鬼は、―――」
 茫然と、忌み言を口にする村の者達に答えとなる言葉が発せられた。
「殺すべきだ」
 誰かが、そう言った。
 凛と、皆の耳を通っていった声。禍々しい言の葉なのに、その声は、その言の葉が指すコトを正しき道のように唱えた。
 示された道は、村人を変えていった。
 奇妙なほど静かな中で、皆の表情が変わっていく――――――コウはそれを茫然と見つめていた。
 村人が、いっせいに動く。
「殺せ!」
 リャンおばさんが、怒鳴っていた。優しい人で、姉と二人だけで暮らす自分達に声をかけてくれた。
「そいつは鬼だっ 鬼の化身だ!」
 聞いたことのある声に首を巡らせば、トギシュが腕を振り上げて叫んでいた。
「そいつは俺達を騙して、村のモンを生贄に………いや、食った」
 トギシュの言葉が、ざわりと奇妙な沈黙を生み出した。
 その、重苦しい空気と自分に注がれる無数の視線にトギシュは怯んだが、……………あとに引けなかった。
「そうだ、食ったんだ!」
 トギシュの声が、高々と村の広場に響いていく。
「喰ったんだろぉ……!」
 トギシュの言葉は、コウにも衝撃を与える。
「とギ、しゅ………」
 トギシュが、吼えていた。
「チャムを、喰ったんだろうっ」
「………トギシュ!」
 知らず叫んだコウを、トギシュは振り返っり、光悦とした表情で言った。
「コウ!」
 トギシュが、にまりと笑う。楽しい時、よく見せた表情だ。
「仇をとれっ」
「え……」
「何やってんだよ。 こいつがカヤを喰ったんだぞ、ぼぉっとしてんな!」
 とても嬉しそうにいって、フィユーを殴りにいくトギシュの後姿を、コウはぼぉっと見つめた。
「殺せ、殺せぇっ」
 皆、見たことのない顔をして、一様に口を揃えて言う。
 ―――――殺せ、と。 
    頭が、痛い………、
 身体の内側まで轟く音。
「ち、……がぅ……フィユー、は」
 違う違う違う――――何度も、何度も思うけれど、誰にも届かない。それはコウの身体の内で激しく反響し合うだけ。
    フィユーは、悲しんでいた………
 視界が揺らぐ。ぐにゃりと歪み、すべてが混ざりあった。
    頭が、痛い
 村人の叫びが、耳を突く。
 不鮮明な世界になっても、現実は変わることなくそこにあった。
 フィユーが、みんなに暴行を受けている。
 コウは、手を握り締めた。
「なん……でぇ」
 でてこない言葉の代わりに、眦から零れるモノ。
    カヤがいなくなって、悲しくて悲しくてどうしようもなかったのにっ
 フィユーに向かっていく村人の姿が滲む。
 泣いている場合ではない。けれど、涙が止まらなかった。
 悲しいのか、怖いのか、判らなかったけれど不明瞭な視界が疎ましくて乱暴に溢れる雫を拭ってコウは叫んだ。
「……フィユーっ」
 咆哮する村人の中に消えていくフィユーを追おうと駆け出したコウの手が握られ、強くひかれた。
「ひぃ……」
 この暴走する騒ぎに捕まったと恐怖に身体が強張ったが、「コウ」と名を呼ばれて、恐る恐る振り返る。
「お……っ」
 叫びそうになったコウの口を、ラシュンが塞ぐ。ふっくらとした人差し指を自分の口の前に立てて、「静かに……」と小さく言う。
 その意を汲み取って首を縦に振るのを見てから、ラシュンはコウから手を離した。
「おばさん、フィユーが……このままじゃあ………っ」
 縺れる舌を懸命に動かすコウを、ラシュンは黙って見つめる。
「止めなきゃ……このままじゃ、………助けなきゃ、フィユーを!」
 駆け出そうとするコウに、ラシュンは静かに言った。
「おやめ、コウ」
 それは、いつもと何ら変わることのない表情と声で言われた。
「おばさん………」
「わかるだろう、コウ?」
「お、ばさ…………」
「おやめ、いいね」
 いつもと変わらない口調で、平静さを崩すことなくラシュンはコウに言い聞かせた。
 村人の咆哮が響く、今、この状況で………いつものように言う。とても冷たくてひどい言葉を、言う。
 見開いた目に映る、自分を気遣うラシュンの姿。
「なんで………なんで、止めるの?」
 勝手に震える身体が、声を揺らす。
「危ないからさ」
「な、ん―――」
「無駄なことはやめときな、コウ」
 とても、静かに言われて、コウは言葉を失った。
「………おばさん」
 胸が、ざわめく。
 いくつもの疑問といくつもの感情が吹き荒れて、心を掻き乱し、震わせる。
「フィユーはね、ああされてもしかたがないんだから」
「何……言って、るの…………?」
  ふぅ―――、
 ラシュンが、大きく息を吐いた。話すことを厭う仕種。そのまま口を鎖しそうになるのを「何で、どうしてっ」とコウが詰め寄ると、肩を大きく動かしてから、ラシュンは言った。
 それは、新たな衝撃をコウに与える。
 話を終えるとラシュンは拳で何度も口を拭い「厭な事を言ったよ」と恨めしく言った。
「わかったかい、コウ」
 拭い足りないというように、ラシュンは手首に巻きつけた護り石に唇をつけた。
「フィユーはああされても、仕方ないんだよ」
「そん、なこと………」
 乱れる呼吸に言葉を遮られる。言いたいことが、伝えたいことがいえない。言葉に、できない。
 もどかしくて、息を止めて、コウは言った。
「フィユーは、そんなことしない、よぉ…………」
「トギシュらが見たんだ、間違いないさ」
「そうじゃ、なくて………っ」
 フィユーは馬鹿だと、皆言う。
 確かに通じ合わないことが多い。特にすぐ途切れる会話は相手を呆れさせるか、怒らせた。
 でも、とても優しい。フィユーは、誰よりも優しい。
 皆知っているはずなのに。
 いつもゆったりしいて何をするにも遅いけれど、何をするにも楽しそうで………本当に楽しそうに笑っている。
 人を傷つけることを、しない。
 動物にも草木にも、誰も気にしないモノにまで優しい。
「そんな事を、フィユーは………」
 騒動は、混乱を極めていた。
 村人は、手に出来るものなら何であろうと握り込んで、フィユーにぶつけていった。
「この、鬼がァ!」
 誰かがそう言うと、誰かが咆哮をあげながらそれに賛同し、誰もがフィユーに向かって悪意を投げつけていた。
 そして―――、篝火から引き抜かれた小さな焔が投げられた。
「あ……」
 きらりきらり、舞い踊る火の粉の行く末を追いながら、コウは小さな声を漏らした。
 小さな炎の欠片は、くるくる回転する。コウと同じように炎の軌道を眺める村人らの間を掻い潜って、フィユーの背中に落ちた。
 フィユーの身体に、火が走る。
 ぱぁっと。―――――突然、明るくなった。
 夜闇を退ける輝き。その輝きに、フィユーを取り囲んでいた者の顔が浮かび上がる。
 見たことのない互いの顔つきに、皆が凍りついた。
 歪んだ狂喜が、そこにはあった。
「――――あぁいぎぃ………」
 耳を突き抜けた不可解な音に、視線が一点に集まっていく。
 自分の背に乗る焔を除けようとフィユーはもがいた。必至に手を振り回して、自分を焼く焔を退けようと何度も指で掻く。けれど、焔はフィユーの指にも移り、燃え盛っていく。
 誰も、動かなかった。
 目の前で起こっている事に、だた立ち尽すだけ。
 コウも、同じだった。
 耳を突き抜ける声。人間の発した声とは思えない不快な、いつまでも耳奥で鳴り響く音が村に響き渡る。
 誰もが、茫然と立っていた。
 ふ、とコウの手首から圧迫感が消え、自由が利くようになった。
 それをきっかけに、痺れた思考がちゃんと動くようになってコウは、力の限り叫んだ。
「……フィユー!」
 コウの声が、広場に響いた。
 呆けたラシュンの手を振り払い、枯れ木のように立っている村人の間を走って、フィユーのもとへと行く。
「フィユー、フィユー!」
 フィユーは、奇怪な音を発しながら右往左往して、湖の方へと向かった。
「フィユー!」
 必至に、足を動かして火の塊になったフィユーを追いかけていく。
 いつもいつも笑っているフィユーが、吼える。聞いたことのない、想像出来ない音が耳を貫く。……………泣いているようにも聞こえた。

――――――フィユーも、カヤがいなくなって悲しかった。

 だから、カヤを探していたのだ。
 形式に則ってカヤを探していた自分と違って、カヤと共にいることが多かったフィユーはリンの中であろうと、鬼の遺骸を埋めたといわれる戒めの土地であろうと、村で忌み嫌われていた行為を厭わなかったカヤの性分をよく理解していて、カヤが行きそうなところへ足を踏み入れていたのだ。カヤを、探していたのだ。
    なのに―――――
 涙が、溢れてきた。
 村人の態度を冷淡と憤って、自分がカヤを救わなければと躍起になって…………いつも、いつもいつも仲間と一緒にフィユーを貶してしまう自分をあれほどに嫌っていたのに、フィユーの優しさに心が休まっていたのに。
 局面に立たされた時、フィユーのことを思い浮かべもしなかった。
 フィユーを、頼らなかった。
 自分が、なんとかしなければと、誰も信じてなかった。
「ごめん、ごめんっ…………フィユゥウーー」
 コウの呼びかけはフィユーの発する奇声と混ざって、とても不快な響きを作った。
 熱さに、声にならない叫びをあげるフィユーは無茶苦茶な動き方で走り回って、そして倒れた。けれど、それでも動き続ける。焔に攻め立てられて、ごろごろ転がる。
 コウは、必死に追いかける。
 フィユーを覆う焔の乱舞が少しずつ小さくなってきて、同時にフィユーの動きが鈍くなって、ぴたりと転がるのを止めた。
「フィユー!」
 厭な、………今まで嗅いだ事のない臭いを発する黒い塊にコウは縋りついた。揺ら揺ら蠢く焔を抑えつけながら、何度もフィユーを呼んだ。触れると鈍い音を発するフィユーの身体は、ずるり――触ったところが流れ落ちた。
「フィユー……っ」
 コウの呼びかけに、腕と思われる部分が動いて、コウに向かって何かを転がした。
  ちりん、
 音が、鳴る。
 カヤの、鈴だった。
 カヤが手首に巻きつけていた鈴の一つ。鈴が二つ、対になって手首にあったのだ。家にはなかったそれを、フィユーはコウへと渡す。
「……ぉ…、バ………」
 フィユーが何かを言おうとしたが、焔と熱に焼かれた喉からは擦れた音しかでてこなかった。
 それも、聞こえなくなる。
「…………」
 触れた部分は、コウの手の形を留めて少しずつ少しずつ、固くなっていくのが感じられた。
 目をフィユーから外さず、手探りで鈴を探す。指先がこつりとあたって、ちりちりと鳴ったそれを、握りこむ。
 カヤの、鈴。
 フィユーから燻りが消え、臓腑を痙攣させる匂いが薄れた頃、コウは立ち上がって近くにあった網でフィユーを包んだ。
 粗い網目に触れると激痛が走ったので掌へと目をやると、爛れていた。腹の裂かれた魚のように真っ赤になった掌を何の感慨もなく一瞥し、再びコウは手を動かす。痛みは、動かしている内に………わからなくなって、気にならなくなった。
 フィユーを網でくるみ、コウは歩き出す。
 大きな体躯のフィユー。三人がかりでようやっと持ち上げられると、仲間内で賑わったことがある。フィユーを掲げる者達の形相と、いつもより高い視線に慌てふためくフィユーの様相に、皆で笑いあった。そんな時が、あった。
 確かに、あった………のに。
「………」
 フィユーをくるんだ網は、コウ一人でも充分動かせるほどに軽かった。
 それが、とても痛かった。
 爛れた掌から伝わった痛みより、もっともっと痛かった。
 ずるずる、ずるずる………蛇行の跡を残していくコウとフィユーが見えなくなるまで、村の者達は誰一人動かなかった。
 フィユーを焼いた焔の源がぱちりと爆ぜて、むぅっと……、二人の後を追う様に細長い煙を伸ばしていくのを、見つめ続けていた。







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